茶室に限らず、
建築って基本的に器や受け皿、または背景である場合が多く、
主役になることは少ない。
もちろん主役であるべき用途の建築もたくさんあるが、
住宅や茶室は、住むとか使う…という本来の機能のときには、
その建築は器または背景であるべきである。
住宅の場合は、住む人が主役、
茶室の場合の主役は、使う人であったり、四季折々の飾り物であったり…というところか。
当然、主役になる建築と器である建築では、
見せ方、つまり使う素材が異なってくる。
主役ではないのだから、
主役よりは目立ってはいけない。
逆に、主役の引き立て役になることも重要。
それが住宅とか茶室という建築の基本的な立場だと思う。
茶室に自然の材料が使われてきた経緯には、
自然崇拝だとか、数寄者として…とか、
考え方によっていろんな側面があるが、
今回の「器」とか「背景」という話でいうと、
その辺に転がってるような材料で作ることで背景と化す
…と言う考え方がしっくりくるのだろう。
だからこそ、
現代の茶室に使われる妙に高額になってしまった自然素材が、
茶室という建築の本来の考え方に合致するのかどうか…ということは、
疑わざるを得ないようにもなってきている。
とはいえ、
手に入りやすい新建材が良いのか…というと、
大量生産で造られた現在素材は無個性で、
風情に欠ける素材が多いので、
そこは、じっくりと考えて素材を選定する必要がありそうです。
あくまでも、器、背景に使う素材として。
現代の茶室で一番悩むのは、
この点であるように思います。
ありがとうございました。
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