茶道、茶室や数寄屋建築が身近にある環境で育ちました。
大学で建築の勉強を始めたころは、人並みにモダンな建築に心を踊らされましたが、
ポストモダン全盛期の学生時代だったこともあってか、
その奇抜なデザインに馴染めず、
徐々に、幼少の頃より身近にあった数寄屋や茶室、または和風への興味が大きくなっていきました。
そして卒業して務めたのは和風旅館を多く手掛ける設計事務所。
ビル物があまり好きではありませんでしたが、
学んでおく必要がある…と考えて進みました。
そこで和風、数寄屋から現代建築まで、たくさんの建築に関わり、たくさんのことを勉強させて戴きました。
そこで学んだのが、踏襲する事とそこから一歩踏み出すことの難しさと、
施主の思いを形にする術……のようなもののような気がします。
知識がないなりに、その葛藤に一生懸命悩んできました。
大きな建物では、素材がもたらす繊細な空気感を感じることは出来ませんでしたが、
独立後にお手伝いさせて戴いた物件で、
本来日本の建築、素材の持つ繊細さを改めて勉強させていただきました。
日本の建築が本来持っている繊細な陰影はディテールによるものだということを、
先の事務所でたたき込まれ、その空気感は素材による底力であることをこの物件で学びました。
少しづつの経験の積み重ねで今があります。
これまでの経験を生かした、伝統を継承した茶室・数寄屋から、
伝統に縛られ過ぎない住まい方としての「和」までを提案させて戴いています。
難解な建築の御依頼もお待ちしています。
是非ご相談下さい。