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プランをつくりこむ事。

 

相談依頼がありました。

簡単に言うと、他社で作ってもらったプランがあって、

それを見てアドバイスが欲しい…というもの。

 

困っておられるご様子なので、かなり迷いました。

 

他社のプランって、

それは他社とそのお電話口の方のおはなしであって私には何の関係もないし、

それについてアドバイスする立場にもない。

加えて、すでに契約してしまっているようで、

アドバイスしたからと言って私たちの業務に結びつく可能性はかなり低そうでした。

 

丁重にお断りしましたが、押し切られる形で、

メールで図面を送ってもらって、電話で返事することと、

質問の内容にだけ答えること等々の

少々の条件も付けさせていただいてお受けすることになってしまいました。

 

結局は、電話やメールではニュアンスが伝わらず、

一度お会いすることになり、私の考えをお伝えさせて戴いて、

少々の相談料を戴いたので業務となりましたが、

一連の流れを通じて感じたことを、今日は少々書こうと思います。

 

まずは一般的なお話。

 

私たちの設計のスピードについて、

そんなに時間をかけて…とか、もっと早く…とか、いろんなことを言われます。

 

当然ですが、時代のニーズに合わせ、

今のスピード感で仕事をすすめることは大切だと思います。

 

しかし、はっきりとした青写真があれば別ですが、

本来、考えていることを形にするにはそれなりに時間がかかるし、

問題を解決するのにもそれなりの時間がかかります。

いいものを作ろうと思えばさらに時間がかかるのは当然です。 

 

考えれば考えるほど無駄がそぎ落とされ、いいものになっていきます。

これは私達にとっては必要な時間だし必要な作業だと思っています。 

 

もちろん必要以上の時間は別の話です。

 

必要な時間が待てなければ、 

解決できないていない問題点は解決しないままに進むしかありません。 

 

よく考えれば解決できたはずの問題が解決できていないプランや、 

あきらかな問題点を問題視していないと思われるプラン、

そもそも問題点を考えようとしておらず、見映えばかりが重視されているプランを見ると、 

なんだか悲しくなります。

 

特に昨今、ITの進化により図でのプレゼンテーションが比較的簡単になり、

内容のない見栄えのする提案が増えています。

  

そんなプランは、 

いくら詳しく見ても「なぜ?」が「なぜ?」のまま全く理解できません。

 最近、そんなプランに出会うことが増えて来ました。

 

もうすこし考えれば何とかなったのに…。

時間が足りなかったのかな?

パースではいい感じのリビングになってるけど実際こうはならないね。

 

問い合わせのあったプランは、そんなプランでした。

図面を描いた方に一つ一つのなぜ?を聞いて回答を得ないと理由がわからない。

 

だから、そのひとつひとつについて、

こうなっているがその理由がわからない…ということをクライアントに説明し、

クライアントの考えを聞き、それについて私の考えをお伝えしました。

 

クライアントは自分の要望が実現できないものと思いこみ、

セカンドオピニオンを受けに来た…ということなのでしょう。

 

でも、そんなに難しくなく実現できる内容だったんです。

少し考えれば…。

ただ、厄介な手続きなど、少し面倒な作業を伴うかもしれません。

 

だからこそ、もうすこし考えれば…。

時間が足りなかったのかな?

って思えてくる。

 

よく考えてあるプランは、「なぜ?」が徐々に読み解けてくる。

なるほど、こうなっているのか…と。

 

つくりこむこと。

無駄なようで、問題解決の唯一の方法であるこの方法を、

考え抜く…ということを、私たちは若い時に叩き込まれてきました。

鉛筆の先で考えながら描きなさい…そう教えられてきました。

善し悪しは別にして、そうすることでいいものが出来ることが分かっているので、

そんなところにも多少のこだわりを持ってます。

 

今のスピード感からすると多少時間はかかるかもしれません。

でも、あなたが一旦諦めたああいったことが、

考え抜くことによって何とか形になるかもしれません。

だから、諦めるのはまだ早い…のかも。

 

そんなご要望にも対応いたします。 

ただ、考え抜いても解決できない問題も中にはあります。

 

そんなこともあることを御了承いただけるなら、 

是非一度ご相談ください。

 

ご相談お待ちしています。