I邸

施工:京町家工房   

写真:田岡信樹    

 

自然災害は突然にやってきます。

 

 

2018年6月に起きた大阪北部を震源地とする地震は、

 

大阪北部で最大震度6弱を記録し、


文字通り大阪から京都にかけて大きな傷跡をのこしました。

 

おそらく、自身の専門家にすればこれは中型地震。

 

でも、我々の生活は十分に脅かされます。

 

 

そして、その年の9月に襲ってきた台風21号。

 

 大阪北部地震で瓦がずれ屋根の補修が必要な建物が多数発生しましたが、

 

修理が間に合わず、ブルーシートのままの屋根もまだ多かった時期に、

 

今度は猛烈な風が襲いました。

 

この台風で、風による被害と合わせて、大規模な停電が発生しました。

 

この住宅は、これらの自然災害をもろに受け、

 

 おそらくそれ以前からの経年劣化が手伝って、

 

大きく傾き、復旧が難しい…と判断し建て替えることとなりました。

 

 

突然に襲った自然災害、

 

建て替える準備など皆無だった状態からスタートした建て替え工事です。

 

 

その準備に時間はかかりましたが、

 

土地に余裕があるからこそできる計画と

 

降って湧いたような建て替えを実現するためのローコストのせめぎあいの中で、

 

マスタープランの決定までは過去最短。

 

 

…にもかかわらず、思わぬ伏兵による待ち時間の発生…と。

 

なかなかに刺激的な展開の案件でした。

 

 

平屋を想定しながら、あまりに平面積ばかりが広がることを避け、

 

階高をできるだけ下げた部分に2階を乗せた、L字型平屋+αのシンプルなプランです。